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新型コロナ抗体検査に対する誤解と妄信。抗体陽性は一度罹ったことを示しても抗体があれば二度目は罹らないは妄信。新型コロナの抗体はウイルスを排除するか、逆にウイルスを猛烈に活性化する。厚労省が進める新型コロナ抗体検査は大量の偽陽性偽陰性を生む。
■免疫学の第一人者である宮坂昌之教授の免疫についての警告
https://www.asahi.com/articles/ASN6Y7W47N6YUCFI002.html?iref=com_fbox_u01
「新型コロナで集団免疫はできない」免疫学者の警告
ー免疫学の第一人者である宮坂昌之教授に訊くー
会員記事
聞き手・畑川剛毅
2020年7月2日 9時00分
(上記記事より、引用)
抗体だけで免疫を語ると道を誤る。
免疫学の第一人者である大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之さんはこう断言する。「日本のコロナ対策に関する議論には、いくつか大きな誤解がある。抗体だけが免疫だと短絡的に考えるのは誤りだ。また、(一定率以上の人が感染すれば、それ以上感染が拡大しない)集団免疫は、新型コロナウイルスでは獲得できない」という。免疫を十分に発揮する方法も含め、宮坂さんに聞いた。
抗体なし=感染リスク高、ではない
――抗体に注目しすぎる議論はやめにしようとおっしゃっています。どういう意味でしょうか。
「先日、厚生労働省が抗体検査の結果を発表し、東京で新型コロナウイルスへの抗体を持っている人は全体の0.1%だと発表されました。そうなると、残りの99.9%は抗体がないから感染する可能性があると考えませんでしたか」
――思いました。そうではないのですか?
「体の抵抗力つまり免疫といえば、抗体だと考えるから、そう思うのですが、それは20年前までの古い考えです。
新型コロナウイルスに関しては、抗体は免疫機構の中でそんなに大きな役割を担っていないかもしれません。回復した人の3分の1はほとんど抗体を持っていないという研究結果もあります」
「人間の免疫はもっと重層的です。まず、人体が持つ免疫機構を説明しましょう。免疫機構は、●自然免疫と●獲得免疫の二段構えです。
(引用おわり)
●抗体検査の問題点
3月末くらいから日本に輸入されていた中国製の抗体検査キットは陽性率が不正確だとして回収されました。
5月3日にスイスの製薬大手ロシュ社は、新型コロナウイルスにかかった方からの100%抗体陽性が見られた検査キットを開発したと発表しました。正確性はほぼ100%とのことです。
新型コロナウイルスのPCR検査では、喉の粘膜より検体を綿棒でとりだすとき検出者がウイルスに感染するリスクがありましたが、新型コロナウイルスの抗体検査では血液を一滴提供だけでよく、検出者がウイルスに感染するリスクはありません。
それで、一般病院でも5月中旬より新型コロナウイルスの抗体検査を開始しています。
抗体検査を受けて結果が陰性の場合、今後もなるべく人混みを避けて生活していく必要があるでしょう。
抗体検査結果が陽性の場合、二度目はかからないという前提の上では、仕事に出社しやすくなりますし人混みを避ける必要もなくなるでしょう。医療従事者も抗体を持っている方が患者様と接するようにすれば良いのではないかと思われます。
ただ、これから抗体に対しての新たなデータがたくさん発表されると思いますので、慎重な対応が必要になります。
ところが、抗体検査結果が陽性の場合、当人の現時点での感染状況を示しているとか、二度目はかからないという前提は、早くも、否定されつつあります。
5月26日に日本感染症学会から発表された抗体検査についての報告では、抗体検査は集団免疫が獲得されているかの疫学調査という目的であり、当人の現時点での感染状況を確認するための検査の位置付けではないと明記してあります。
●抗体の保持率イコール既に感染して治った割合ではない。
抗体がなくても、自然免疫だけでウイルスを排除したか、キラーTリンパ球が活躍して感染細胞を殺した結果、コロナ感染、発症者は、回復した。
https://digital.asahi.com/articles/ASN6Y7W47N6YUCFI002.html?_requesturl=articles/ASN6Y7W47N6YUCFI002.html
上の宮坂昌之教授の記事のつづき、ですがここからは無料会員登録で無料で読むことができます。記事のつづき、から(抜粋引用します)
< 自然免疫で新型コロナウイルスを排除できなかったら、獲得免疫の出番です。獲得免疫は発動するまでに数日かかります。
最初に刺激されるのは、ヘルパーTリンパ球で、獲得免疫の司令塔です。
これがBリンパ球に指令を出すと、Bリンパ球は抗体を作ります。
一方、ヘルパーTリンパ球が兄弟であるキラーTリンパ球に指令を出すと、キラーTリンパ球はウイルスに感染した細胞を殺します。獲得免疫はいわば本丸を守る役目の高級将校ですね。>
< ここで大事なのは、抗体はウイルスを殺しますが、ウイルスに感染してしまった細胞を殺すことはできないのです。
抗体は大きなたんぱく質なので細胞の中には入れず、細胞膜の中に隠れているウイルスは殺せません。
細胞の外にある、これから細胞に感染してやろうというウイルスや、感染細胞から放出されるウイルスは殺せますが、すでにウイルスの侵入を許してしまった細胞は殺せません。
それができるのは、キラーTリンパ球なのです。キラーTリンパ球は抗体と同様に重要です。>
<抗体にも「悪玉」がいて・・・
――抗体だけではすでに感染した人の割合を知る指標にはならない、感染細胞を殺すキラーTリンパ球の量も簡単には測れない。私たちは何を基礎に議論を進めればいいのでしょう。
「その前にもう一つ、抗体の役割についても、大きな誤解があります。抗体であれば、すべてウイルスを撃退すると考えていませんか」
――抗体は、病原体を殺し、排除する役割を持つのだから、そう考えるのは当然では?
「そうではありません。抗体は3種類の振る舞いをします。一つは、みなさんがよく知っている、ウイルスを攻撃し排除する抗体、私はこれを『善玉抗体』と呼んでいます。逆にウイルスを活性化させる抗体『悪玉抗体』もあれば、ウイルスを攻撃もしないし活性化もしない『役なし抗体』もあるのです。>
< 武漢医科大学で感染者の血液を調べたところ、感染者のうち無症状の人は抗体量が少なく、重症者は発症後何日たっても、無症状、軽症の人より常に抗体が多い傾向がはっきりと示されました。
善玉抗体がたくさんできてウイルスを撃退すれば軽症で済むはずなのに、重症者は常に抗体が多いということは、新型コロナウイルスは悪玉抗体をたくさん生み出し、抗体がウイルスの増殖を助けていると考えられます。>
<そして、人間の体は、自然免疫が強いと獲得免疫も強いという性質があります」
自然免疫だけで撃退できる人も
――つまり、抗体の保持率イコール既に感染して治った割合ではないと?
「その通りです。先ほど述べた、感染者の3分の1が抗体を持っていなかったか、あるいはごくわずかしか持っていなかったのは、自然免疫だけでウイルスを排除したか、キラーTリンパ球が活躍して感染細胞を殺した結果、回復したと考えられます」>
(抜粋引用おわり)
■ワクチン神話を疑え!SARSで17年ワクチンができないわけ
【新型コロナと闘う 児玉龍彦×金子勝】20200624
https://youtu.be/y6W83Y85zJs
ワクチン神話を疑え!SARSで17年ワクチンができないわけ【新型コロナと闘う 児玉龍彦×金子勝】20200624
174,782 回視聴?2020/06/28
43:51
デモクラシータイムス.
チャンネル登録者数 5.68万人
児玉龍彦さん(東大先端研がん代謝PT)と金子勝さん(立教大特任教授)にうかがう最新の新型コロナ情報。
今回は、「ワクチンができれば解決する」「年末にはワクチンができる」という夢のような解決策の落とし穴。中途半端な抗体でワクチンを作ると、今度はそれが自分の細胞を攻撃し、ワクチンを接種した人がかかると免疫暴走によって逆に犠牲者が増えるという危険があります。
だから、SARSも未だにワクチンはできず、今回のワクチンもほんとうの専門家は何年もかかると慎重です。
経済の再開を優先し、オリンピックに固執して、「ワクチンできるできる詐欺」があちらでもこちらでも・・。その危険を直視し、開発を待ちながらその間に私たちができることはないか、考えます。収録は、2020年6月24日
【児玉先生のグループが取り組む民間の大量抗体検査プロジェクトにご協力を】
詳しくはこちら → https://donation.yahoo.co.jp/detail/925040/
●抗体には、N抗体ーN抗原とS抗体ーS抗原がある。ロシュなどの抗体検査キットは、N抗体とS抗体の両方をトレースしていない。1/2の確率で偽陽性、偽陰性を生み出してしまう。厚労省がすすめている抗体検査も、この1/2の確率で偽陽性、偽陰性を生み出してしまう、悲惨なものである。
児玉先生のグループが取り組む民間の大量抗体検査プロジェクトは偽陽性、偽陰性を生み出さない、抗体ー抗原の結合を磁気分離でノイズを減少した、正確な、精密抗体検査としている。
■定量分析による抗体検査を活用し、感染状況の実態把握や重症化判定への有用性を明らかにするプロジェクトが東大先端研など6つの大学・研究機関を中心に進められている。
児玉氏はプロジェクトの最新の結果を交えながら、抗体の特性、今後の対策のあり方について話した。
https://youtu.be/8qW7rkFsvvM
「新型コロナウイルス」(33) 児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクト プロジェクト リーダー/ 村上世彰・一般財団法人村上財団創設者 2020.7.3
99,455 回視聴?2020/07/03
1:11:59
jnpc
チャンネル登録者数 3.43万人
定量分析による抗体検査を活用し、感染状況の実態把握や重症化判定への有用性を明らかにするプロジェクトが東大先端研など6つの大学・研究機関を中心に進められている。
同プロジェクトを率いる児玉龍彦氏と、資金面で支援をしている一般財団法人村上財団の創設者である村上世彰氏の2人が会見した。
児玉氏はプロジェクトの最新の結果を交えながら、抗体の特性、今後の対策のあり方について話した。
司会 元村有希子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
【児玉先生のグループが取り組む民間の大量抗体検査プロジェクトにご協力を】
詳しくはこちら → https://donation.yahoo.co.jp/detail/925040/
■新型コロナ精密抗体検査プロジェクト
緊急鼎談!宮田裕章×児玉龍彦×川村猛(2020年6月24日)
https://youtu.be/xWT3g-oGFkY
新型コロナ精密抗体検査プロジェクト 緊急鼎談!宮田裕章×児玉龍彦×川村猛(2020年6月24日)
37,617 回視聴?2020/07/02
38:52
PeaceWindsJapan
チャンネル登録者数 1780人
東大先端研からライブ配信した鼎談の内容をノーカットでお届けします!
宮田裕章(慶応義塾大学医学部教授)
児玉龍彦(東京大学先端科学技術研究センター名誉教授)
川村猛(東京大学アイソトープ総合センター准教授)
【児玉先生のグループが取り組む民間の大量抗体検査プロジェクトにご協力を】
詳しくはこちら → https://donation.yahoo.co.jp/detail/925040/
●免疫システムと抗体について 参考資料
https://www.abcam.co.jp/protocols/the-immune-system-and-the-antibody-response-1
抗体ガイド 1. 免疫系と抗体の産生
免疫系の種類
免疫系は、感染性の病原体など外来の物質から生体を防御するシステムです。このシステムは以下の 2 つに分類されます。
●非特異的な防御: 先天性免疫系、自然免疫系(Innate または Non adaptive immune system)
●特異的な防御: 後天性免疫系、適応免疫系(Adaptive immune system)獲得免疫系
非特異的な防御
非特異的な防御は、皮膚・粘膜などによって物理的に行われるものと、リゾチーム(Lysozyme)、補体タンパク質(Complement)などによって生化学的に行われるものとがあります。また食細胞(Phagocytes)による捕捉によっても行われます。
非特異的な防御は特に病原体の感染初期において有効で、その侵入や広がりを防ぎますが、●感染の繰り返しによって機能が強化されるということはありません。
特異的な防御
特異的な防御は、非特異的な防御を逃れた病原体や異物を除去するために、進化の途上で生物が獲得した機能です。
病原体の侵入を許した生物は、それらに対して特異的に反応し、さらにその情報を長期間にわたって記憶として保存しておくことができます。
この防御システム、後天性免疫系は、さまざまな細胞や分子種から構成されていますが、その中心を成す細胞はリンパ球(Lymphocyte)であり、中心を成す分子は抗体(Antibody)です。
後天性免疫系の反応は、液性免疫反応と細胞性免疫反応に分けられます。
リンパ球の主な種類は、キラー T 細胞(細胞障害性 T 細胞、TC cell)、ヘルパー T 細胞(TH cell)、B 細胞(B cell)の 3 つですが、
これらのうち抗体分子を主役とした液性免疫反応には主に B 細胞とヘルパー T 細胞が関与し、
細胞が直接病原体や異物を攻撃する細胞性免疫には、主にキラー T 細胞とヘルパー T 細胞が関与します。
すなわちヘルパー T 細胞は両方の免疫反応に関与しています。その関与は主に、サイトカイン(Cytokine)と呼ばれる分泌タンパク質を介して行われます。
免疫細胞マーカー・ポスター
CD 抗原チャート
上記 3 種類のリンパ球の表面上には、抗原に特異的に認識し結合するタンパク質である、受容体分子(レセプター分子)が発現しています。
1 個の細胞に発現しているのは 1 種類の抗原に特異的に結合するレセプター分子のみです。これが後天性免疫の「特異性」を決めています。
なお、後天性免疫が異物として認識するのは病原体だけではありません。自己以外の生体由来の組織も認識し、排除しようとします。そのため骨髄や臓器の移植における拒否反応が起きます(細胞性免疫が中心です)。
生体の細胞表面上には主要組織適合抗原(Major histocompatibility complex; MHC)と呼ばれるタンパク質複合体が存在します。これが生体個々の個性を決定します。後天性免疫の特異性を決めているのはレセプター分子であると上で述べましたが、正確に言うと特異性を決めているのはレセプター分子と MHC の組み合わせです。
なお MHC にはクラス I とクラス II の 2 種類があります。MHC クラス I は生体のほとんどの細胞の表面上に存在しますが、MHC クラス II はマクロファージ(Macrophage)、ランゲルハンス細胞(Langerhans cells)、樹状細胞(Dendritic cells)などの抗原提示細胞(Antigen-presenting cells; APC)の表面にのみ存在します。
抗体の産生
抗体は外部から侵入した分子に特異的に結合するタンパク質で、B 細胞が分泌します。
タンパク質名としてはイムノグロブリン(Immunoglobulin)です。「抗体」という言葉と「イムノグロブリン」という言葉は、ほぼ同じ意味で使われています。
なお、抗体が特異的に結合する分子を抗原(Antigen)と呼びます。
抗原と抗体の反応は、全ての免疫化学的手法の基礎を成すものです。
抗原に対する抗体の結合部位をパラトープ(Paratope)、抗体が反応する抗原の領域をエピトープ(Epitope)と呼び、パラトープとエピトープの結合の強さをアフィニティ(Affinity)と呼びます。
また抗体分子は複数の抗原結合部位を持ちますが、抗体分子、抗原分子全体としての結合の強さをアビディティ(Avidity)と呼び、解離定数 Kd として数値で表すこともできます。
抗体の結合力を表す解離定数 Kd
生体に侵入した抗原はまず、マクロファージ、ランゲルハンス細胞、樹状細胞などの抗原提示細胞に取り込まれ、その細胞内で部分的に分解されます。
エピトープを含む分解された抗原の断片は MHC クラス II と複合体を形成し、細胞表面上に「提示」されます。その後次のような過程を経て、抗体が産生されます。
抗原エピトープ-MHC クラス II 複合体に、それを特異的に認識するレセプター分子を有するヘルパー T 細胞が結合 → そのヘルパー T 細胞が増殖・活性化 → その抗原エピトープを特異的に認識するレセプター分子を有する B 細胞が、形質細胞(Plasma cell)へと分化・増殖 → 形質細胞が抗体を産生
一部の B 細胞は次の病原体の侵入に備え、素早い反応ができるように記憶細胞(Memory cell)として残ります。抗体の産生と抗原・抗体反応は、マクロファージ、T 細胞、B 細胞による病原体への攻撃のクライマックスと言えます。
== FIN ==